随筆練習帳

随筆(エッセイ)の練習帳。原稿用紙6~7枚分を目指して

読書力をつけなければいけないような気がする

 

 齋藤孝「読書力」を読んだ。

 

 図書館で借りてきて読み始めたら、割と序盤に「本は本屋に行って身銭を切って買うべきだ」「本屋に行けばすぐ手に入る本を図書館で借りているようでは見込みがない」みたいなことが書いてあって、申し訳なくなった。誰だ、この本を図書館に置いたのは。この本を借りる行為が既にこの本の主張と矛盾しているではないか。

 

 齋藤先生が「読書力」がある、と考えるラインは、文庫本100冊、新書50冊を読破しているレベルだという。私は今まで、どれだけ読んできたのかと気になったので、読書管理アプリをインストールして、今までに読んだ記憶のある本を片っ端から登録していった。今、やっと60冊台に乗っている。

 中学生の時に読んだ本とかあまりおぼえてないし、高校生ではあまり読書をしないできてしまったのが痛い。中学時代に、山田詠美の「蝶々の纏足/風葬の教室」を読んだことはやけに覚えている。植物図鑑とか読んでおけばよかったのに。老人と海を避けないでおけばよかったのに。教室の後ろに学級文庫があった時代にもっと読んでおけばよかったと後悔している。

 

 最近は、というか、高校生あたりから小説を読むことが少なくなってきて、もっぱら新書か単行本ばかり読んできたので、文庫本のストックが少ない。急遽ブックオフで3冊ほど買ってきた。

 

 150冊までまだ倍以上ある。頑張って本を読むのもそうだが、今まで読んだ本を思い出さなければいけない。60冊しか読んでないというのはあり得ないだろう。思い出せていない本があと10冊はある気がする。見れば「ああ、読んだことある!」と思うはずなのだ。図書館を巡回して思い出すしかないだろうか。

 

 どこまでを本としてカウントすればいいのかも悩みどころだ。中学生のころむさぼり読んだ「まんがで読破」シリーズはカウントしていない。ちゃんとオリジナルも読んでおけばよかったのに!ティーンズコーナーに置いてあった「ハッピーバースデー」はアウトだろうか。一応形は文庫本なのだが。文芸書版も読んだことがあるから、それと一緒にカウントしようか。同じ理由で「カラフル」も迷ったが、こちらは悩んだ末にカウントしてしまった。羅生門を教科書で読んだ、とかはまあダメだろう。

 

 いまアプリを見返してみたら、ことのほか単行本が多い。齋藤先生的にはあまりよろしくない感じなのだろうか。いや、でも単行本数えないと無理だ。全然足りなくなる。

 

 ブックオフや書店で本を物色するのと並行して、青空文庫にも手を出してみた。なんと無料で文豪たちの名作が読めるのである。全然身銭を切ってないじゃないか。今は「吾輩は猫である」を読んでいる。上下巻に分かれていないので、ものすごく長く感じる。全然読み終わらない。

 

 読書力をつけると、情報処理能力が上がって、語彙力が上がって、コミュニケーション能力も上がるのだそうだ。読書力でもつけなければ、私はこの世の中で生きていけない気がする。150冊への道のりは険しい。