随筆練習帳

随筆(エッセイ)の練習帳。原稿用紙6~7枚分を目指して

 暖かくなってきて久しいのに、今年は全く花粉症の症状が出ない。毎日マスクをして、点鼻薬を打っていた私が花粉症を克服するとは思ってもいなかった。引っ越したのが好影響だったのだろうか。楽なのはもちろんのこと、薬代がかからないのも嬉しい。

 

 暦上で春が来ているとともに、私の友人たちにもいつの間にか春が来ているようだ。

 

 「男子怖い、恋愛とか分からない、彼氏欲しいっていう人の気持ちが分からない」と言っていた工学部生の友人が、知り合いの紹介で医療系の男性と交際を始めていた。とても幸せそうで何よりである。先日彼女の誕生日プレゼントを選びに雑貨店に行ったが、満たされ切っている彼女に何を贈ったらいいかさっぱり見当がつかなかった。迷いに迷いぬいた末、フィラメントがお洒落な電球を買った。

 

 恋多き女として友人間で名高い服飾系学部生の友人に、湯島天神の近くで占いを受けるので付き添いで来ないか、と誘われ、御徒町に降りた。彼女は「今の彼氏は彼氏らしくない、男らしくない。仲良くしている男性が別にいて、そちらの方が気になっている」と悩んでいた。世の中にはいろいろな種類の悩みがあるんだな、としみじみ思う。

 さっそく占い師に相談をしたところ、今の彼氏は「精神年齢が3~4歳」、別で気になっている男性は「自分のことしか考えていないクズ」とこっぴどい言われようをされていた。「今日から美人で行け」とアドバイスをもらっていた。

 

 「デートとかめんどくさそう、多分一人で生きていく気がする、宝塚に生きる」と言っていた農学部生は、観劇で席が隣だった人に恋をしている。その日のうちに食事を共にし、話が盛り上がってしまったそうだ。初対面の人間と食事に行くなんて私には考えられないが、そんな行動力がかなり羨ましい。甘え上手な彼女は、相手から先にLINEが来ないのも気にせず、メッセージを送ったり電話を掛けたりできる。そういう、いざという時の図々しさみたいなものは、是非私にも分けてほしい。今度一緒に遊園地に遊びに行くのだそうだ。

 

 高校時代の同級生に、結婚を前提とした交際をしている女性がいると聞いたときは驚いてしまった。それどころか、すでに結婚をして子どもをもうけている同級生もいる。20歳―成人しているとは言えど、私の中で、自分というのは全くの子どもという意識なのだ。結婚なんて考えていないし、そもそも願望がない。来日するヴァンデルロースト氏に会いに行くために、高速バスで1人で大阪に行くくらいには自由でいたいのだ。たとえが変だな。そう、友人たちが恋愛という通過儀礼を早々と済ませて大人になってしまうのが寂しいのだ。

 

 先日、好きな人が登場する夢を見た。相手と実際に連絡を取り合ったのは、去年の12月半ばが最後である。起きてから、なんとなく「気になる人 疎遠」で検索をかけた。「思い立った時に連絡しよう」と言われても、そうする勇気がないからインターネット検索なんかしているのだ。記事のライターは全く分かっていない。

 そもそも、皆が皆、何もなくてもLINEのやり取りをすると思ったら大間違いだ。私には事務連絡以外でLINEのやり取りをする習慣がほとんどない。ただの友人とだって滅多に連絡を取らない性分なのだ。今更だが、これは只の言い訳である。知っている。困っている。